乾癬を治すには善玉菌と悪玉菌のバランスが大切

細菌なんて言葉を聞くと、誰もが悪いイメージを抱くと思います。しかし、「細菌＝悪」とは限りません。細菌は細菌でも、腸内細菌は免疫機能を正常に保つ重要な役割を果たしていますし、それができるかどうかはあなた次第です。

 

また、腸内細菌は文字どおり腸に存在しているため、腸内環境もまた腸内細菌に関係してきます。腸内細菌、免疫、腸内環境、ここではこれら三つをテーマにして、それぞれがどう関わっているのかを分かりやすく説明していきます。

 

腸内細菌の種類

腸内細菌は善玉菌と悪玉菌が知られていますが、正確には日和見菌という細菌も存在しています。文字どおり、善玉菌は良い菌で悪玉菌は悪い菌ですし、日和見菌というのは状況次第で良くも悪くも立場が変化します。これだけ言うと、一見、悪玉菌は邪悪極まりない存在で、全て排除すれば腸は健康に！と思うかもしれません。

 

しかし、身体の健康において悪玉菌も必要な存在なのです。と言うのも、善玉菌は悪玉菌を攻撃してくれますが、そうやって攻撃してこそ腸内にプラス効果を発揮するからです。分かりやすい例を挙げると、ハリウッドのアクション映画を想像してみてください。

 

見所のアクションシーンを堪能するためには、正義の味方ばかりでは成り立ちません。悪者がいて、正義の味方がその悪者を倒すからこそ、アクションシーンが楽しめるわけです。善玉菌と悪玉菌もこの例と同じことが言え、悪玉菌は“やられ役”という重要な役割を持っているのです。

 

ところが乾癬患者の腸内では“やられ役”であるはずの悪玉菌が全然やられてくれません。むしろやりたい放題で、善玉菌もたじたじです。ここに、乾癬を改善するヒントが隠されているのです。悪玉菌はゼロでもいけないし、多すぎてもいけません。わかりやすく例えれば、アンパンマンとバイキンマンくらいの関係がちょうどいいですね（笑）そこに日和見菌のドキンちゃんがいるみたいな（笑）

 

乾癬を治すためにはどちらの腸内細菌もバランス良く必要なのです。大切なのはこれらをバランスよく保つこと、正義の味方である善玉菌が勝てるように腸内環境を整えることです。

 

免疫機能の優秀さはフツーじゃない！

免疫機能の働きをよくよく考えると、その優秀さに驚きます。何しろ、冒頭で説明したように細菌は悪い菌とは限らず、中には良い菌がいるわけです。

 

あなたは体内に存在する細菌数はいくつか知っていますか？⇒100兆個です！そんな中で免疫機能は悪い菌だけを的確に見定めて攻撃しているのです。

 

さらに驚くべきことは、悪い菌の中でも腸内の悪玉菌は攻撃しないことです。これは、上記で説明した悪玉菌が“やられ役”であるということを理解しているからです。悪は悪でも必要な悪であるからこそ、免疫機能は悪玉菌に攻撃を仕掛けないのです。

 

こうした優秀な免疫機能ですが、その優秀さが狂ってしまうこともあります。時には自身の味方の組織にまで攻撃を仕掛けてしまい、必要以上の免疫力を発揮してしまうのです。いわゆる過剰な免疫反応であり、そうなることで起こってしまう自覚症状が皮膚炎や関節炎…つまりは乾癬なのです。

 

ここまでの話で、あなたはひとつの事実が理解できましたよね⇒乾癬は皮膚や関節が悪くて起こる病気ではありません。悪いのは免疫機能なのです。つまり、皮膚にステロイドを塗ったところで乾癬は治らないということです。

 

腸内環境を整える重要性

ここまでの説明で腸内細菌の役割、免疫機能の優秀さが分かると思います。

 

しかし、どちらも状況次第では正常に機能しなくなることがあります。例えば、腸内細菌で悪玉菌が増えてしまえば、善玉菌が負けてしまって身体に悪影響を及ぼします。免疫機能の優秀さが失われれば、大切な組織をどんどん破壊して乾癬の悪化を招いてしまいます。

 

そんな非常事態を招く恐れがあるのが、腸内環境の悪化です。マズいのは、この30年間で乾癬患者の数が激増したということです。1970年代には日本ではほとんどいなかった乾癬患者が今では43万人以上ともいわれています。（ノバルティスファーマ株式会社調べ）

 

つまり、それだけ多くの人の腸内環境が悪化していることになり、私達はその事実に危機感を持たなければならないのです。

 

今回のまとめ

腸内細菌のバランス、免疫機能の働き、これらが正常であるためには、腸内環境が整っていることが大前提になります。

 

その意味では、私達が真っ先に考えなければならないのは、単に善玉菌を増やしたりすることではなく、腸内環境そのものをしっかりと整えることです。

 

乾癬を治すには生活習慣自体を見直し、本格的な腸内改善に取り組むことがステロイドよりずっと有効で簡単です。また、腸内環境次第で腸内細菌や免疫力が変化することを考えると、腸内環境が整えばこれらの力が最大限発揮され、様々な病気から身を守ることにもなるのです。