免疫器官としての腸を正しく理解すると乾癬克服の意欲が湧く!
「腸の役割は何か?」と質問した時、大抵の人は「消化・吸収」と答えます。排便を想像してこの答えが出るのでしょうし、答え自体は間違っていません。しかし、腸に全く別の姿があり、それは免疫器官としての姿です。
いや、むしろ腸は消化器官よりも免疫器官と認識すべきなのが正しく、身体の健康維持のカギは腸が握っていると言っても過言ではありません。そこで今回は、腸が免疫器官であることがわかる、腸の働きや仕組みについて分かりやすく説明していきます。
小腸の構造
小腸は全体で4メートルから7メートルの長さを誇っています。このうち、上部の約4割が空腸と呼ばれる部分で、ここが消化や吸収の中心となっています。多くの人が“腸は消化の役割”というイメージを抱くのは、この空腸の働きの印象が強いからですね。
一方、空腸は小腸の約4割を占めていると言いましたが、残り6割は何なのでしょうか?その答えこそ、「腸=免疫器官」という事実に繋がってくるのです。小腸の中の4割は空腸なのですが、残り6割は回腸と呼ばれる部分になっているのです。
回腸にはパイエル板と呼ばれる組織がいくつも存在し、これが免疫機能の中で最も重要な役割を果たしています。パイエル板とはリンパ小節が集合した組織で、身体の免疫細胞のおよそ6~7割がここに集結しているのです。
体内に異物が侵入すると、それが有害なものかを身体が判別して有害であれば攻撃を仕掛けます。この一連の流れを実行させているのがパイエル板であり、言ってみればパイエル板は免疫機能の総司令塔のような存在なのです。
腸内フローラってなんだ?
整腸薬の中には、「腸内フローラを綺麗にする」と謳うものがありますが、肝心の腸内フローラについての説明が書いてありませんよね。そこで、まずは腸内フローラについて説明していきます。
フローラとは、英語で植物群という意味です。ではなぜ、腸と植物群に関連性があるのかと言うと・・・
十二指腸から直腸までを含めた腸管は、長さにするとおよそ10メートル近くになります。その腸管では、腸内細菌が種類ごとに綺麗にまとまってビッシリと存在しており、これを腸内フローラと呼びます。種類別に集まった腸内細菌の様子がお花畑のように見えることが、腸内フローラの名前の由来になっているのです。
腸内フローラは主に回腸から大腸にかけて多く存在しており、侵入してきた人体に有害な物質に対して攻撃を仕掛けてくれるのです。この特徴や働きから分かるとおり、これもまた腸の免疫機能としての姿の一つです。
免疫機能を正常に働かせるために
上記で挙げた腸の働きは、いずれも免疫機能が正常であってこそ叶うことです。そして、免疫機能の状態は腸内環境によって大きく左右されることがおわかりなるかと思います。では腸内環境が悪化すると、これらの免疫機能はどうなってしまうのでしょうか?
誰もが真っ先に想像するのは免疫力の低下だと思います。それは事実で、腸内環境が悪化すると免疫力が低下して、様々な病気を引き起こしやすくなります。しかし、もう一つ起こり得ることがあって、それは免疫機能の異常反応です。
免疫力が低下するのはもちろん問題ですが、高くなりすぎるのもまた問題なのです。本来なら、身体にとっての敵だけを攻撃するはずの免疫機能が、免疫力が高くなりすぎることで味方まで攻撃するようになるのです。これこそが乾癬悪化のメカニズムです。
※補足 乾癬患者は免疫力が強すぎる場合がほとんどです(=免疫バランスが悪い)。これ以上免疫力を強くしてしまうと乾癬はますます悪化します。免疫を強くするヨーグルトなどで乾癬が悪化するのはこのためですね。よって、乾癬患者が目指すべきは免疫力の強化ではなく、免疫バランスの正常化です。
免疫バランスの崩壊によって起こるのが乾癬であり、言ってみれば皮膚に現れる症状は、腸内環境の悪化が招いていることになります。と言うことは、乾癬を改善するには腸内環境を整える必要があるということになるのです。
免疫は身体を異物から守るために欠かせない力です。そして、腸に免疫器官としての姿がある以上、免疫バランスを左右するのは何よりも腸内環境ということになります。
たまに起こる風邪なら、そのために腸内環境を意識する人は少ないかもしれません。しかし、今あなたがお悩みの乾癬に関わるとなると、腸内環境を軽視するわけにはいきません。なぜなら乾癬で悩む人は昔に比べて確実に増えていますし、腸内環境が関わる以上、ステロイドやUVB紫外線照射では完治させられないからです。
これらの症状を改善させたいなら、腸内改善をして腸内環境を整えることが最も安全で効果的です。またそれは、同時に他の大きな病気を予防することにも繋がってくるのです。
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