乾燥肌は乾癬を悪化させる原因に。乾燥肌と皮膚に備わっている免疫システム
皮膚は体の内側の一番外側の部分です!人体最大の臓器は皮膚。
臓器というと何をイメージしますか?
心臓、肝臓、肺、胃、小腸、大腸
これらのいずれかをイメージした人が多いと思います。
それはそれで正しいのですが、人体最大の臓器と言えばそれは「皮膚」なのです。
皮膚も臓器なの?!と思う人もいるでしょうが、心臓や肝臓は臓器ではあるものの内臓です。
皮膚は内臓ではありませんが、臓器です。
臓器とは、特定の形態や機能を持つ器官のことを意味する言葉なので、皮膚も心臓や肝臓と同じ臓器となります。
乾癬を克服するにあたって、忘れてはいけないことがあります。
それは…
「皮膚は体の内側の一番外側の部分である」
ということ。
皮膚は体の外側ではなく、体の内側の一部なのです。
その皮膚に大きな炎症が出ているということは、体の内側に異常個所があるということです。
つまり乾癬を治すには体の内側をケアしてやる必要があるのです。
臓器である皮膚の構造がどうなっているのか、詳しく知らない人は多いと思います。
皮膚の構造を知ることで、どれだけ皮膚が人体にとって重要で大きな器官であるかがわかります。
まず、皮膚は皮膚層の表皮、真皮、皮下組織からなり、付属器として爪、毛、皮脂腺があります。
これらを合わせた物の総称が皮膚となります。
つまり、爪も髪の毛も皮膚の一部となり表皮細胞が変化したものと言えます。
皮膚の厚みは場所によって異なりますが、平均で約2ミリの薄い膜であることがわかります。
そして皮膚の最上層を構成している角質層は、0.01~0.02ミリとなり、食材を包むラップよりも薄い構造をしているのです。
そして皮膚の総面積ですが、成人の場合は畳一畳分にもなります。
重さに換算すると体重の約16%程度になり、50kgの人であれば8kgが皮膚です。
人体で最大の臓器と言いましたが、内臓で一番大きな臓器である肝臓の大きさは体重50kgの人で約1kgになりますので皮膚がどれだけ大きく重いかがわかるでしょう。
あなたを守るのが皮膚の役割
皮膚はどうして体を覆っているのか?その役割とはどのようなものか?
知っているようで知らない、一生のうちで一番目にする臓器である皮膚のことを構造を含めて説明しますので、もっと知っておきましょう。
基本情報として皮膚は3つの層からなっていて、表皮、真皮、皮下組織となります。
一番外側にある表皮は、薄くて丈夫な膜になっていて皮膚の潤いを保ちつつ、外界からの異物侵入を防いでおり、皮膚の内側にある筋肉、神経、血管を守る働きがあります。
次に表皮の下にある真皮は、皮膚組織の本体とも言える部分で皮膚の大部分を占めています。
真皮は強靭なコラーゲン線維の束が網目のように入り組んだ組織となっていて、その間をゼリー状の基質と呼ばれる物質が満ちています。
この二つの組織にエラスチン線維が加わることで、柔軟で弾力性を確保しています。
また、真皮には免疫細胞、毛包、皮脂腺、乾癬、血管、リンパ管、神経などがあります。
体全体を真皮で覆うことにより、生命維持に必要な役割を果たしているのです。
最後に皮下組織ですが、皮膚の最も内側に存在している組織で大部分は脂肪からできています。
その中に動脈、静脈のような太い血管が通っています。
エネルギーを皮下組織の脂肪という形で蓄えることで、外圧に対するクッションの働きをし、内臓や骨、筋肉などの内部器官を保護しています。
これ以外にも体温の発散抑制も行っています。
このように皮膚は無ければならない器官であることがわかります。
脳、心臓、肝臓といった臓器を守る働きがあるとともに、血液やリンパの循環に欠かせません。
もし皮膚がなければどうなるか、想像しただけでも恐ろしいとは思いませんか?
人間は火傷によって全身の50%の皮膚を失うと致死に値すると言われていて、20%を超えるだけでショック状態に陥るとされています。
それほど、皮膚というのは大切な器官なのです。
皮膚に備わっている免疫システム
皮膚にはバリア機能のほかにも様々な機能を備えています。
バリア機能が何らかの原因によって低下したり失われた部分があったとしても、簡単に肌トラブルや病気にならないのはそれらの機能があるためです。
その代表が「免疫システム」です。
免疫システムとは体内に侵入してきた異物を自分以外のものと認識して、体外へと排除する働きをする生体防御反応の総称です。
また免疫システムは体外からの異物だけでなく、体内で発生した癌などの異分子に対しても敵として認識し攻撃する仕組みが備わっています。
この免疫システムを全身に巡らせているのが、皮下組織にある血管であり、その中に含まれている白血球群です。
免疫には自己免疫と獲得免疫と呼ばれる2種類がありますが、自己免疫は生まれた時から備わっている敵を攻撃する力です。
獲得免疫はウィルスなどの攻撃を受けた場合に、その敵の仕組みを特定して敵の弱点を攻撃するような武器を作って撃退する後天的な免疫のことです。
免疫システムが正常に機能しているからこそ、人間は何気ない日常を送れ、風邪を引いても数日で治すことができるのです。
また意識しないレベルにおいて癌細胞などを攻撃し生命維持を脅かすような外的から身を守ってくれているのです。
分かりやすく言えば、自分で自分を守っているボディーガードとも言えるでしょう。
逆に免疫システムが正常に機能しないと、乾癬はもちろん普段掛からないような病気になったり、生命が危険にさらされるような病気に負けてしまうことになります。
乾燥肌はバリア機能の低下を招き乾癬を悪化させる
健康な皮膚は十分な水分を保持した状態で、バリア機能を維持しています。
角質層が表皮細胞層から十分な水分供給を受けているので、みずみずしく保たれ、外界からの刺激が多少あっても皮膚を傷つけるようなダメージを受けません。
しかし何らかの原因で角質層の水分が失われてしまうと、カサカサの乾燥肌となり、ますます乾癬を悪化させてしまいます。
乾燥肌を引き起こす5つの大きな原因
- スキンケア失敗によるバリア機能の喪失
- 加齢、生活習慣の乱れによるターンオーバー機能低下
- 湿度低下に伴う乾燥促進
- 天然保湿因子、細胞間脂質の減少による乾燥
- 皮脂、汗などの分泌量減少
これらによって乾燥肌が引き起こされてしまいますが、多くの人は自分が乾燥肌になっていると気が付いていない可能性があります。
乾燥肌の対処を放置すると、悪循環に陥ってしまい乾燥の度合いが進みます。
そうなるとバリア機能を復活させることが難しくなってしまいます。
乾燥肌かどうかをチェックする項目がありますので、チェックして対処しましょう。
- 洗顔すると肌のツッパリを直ぐに感じる
- 皮膚がカサカサ、ゴワゴワしている
- 痒みやピリピリなどの刺激を感じる
- 白い粉を吹いたようになる
- 唇が乾燥で荒れることがよくある
- 化粧ノリが悪くなった
- 年齢より老けて見える
- 熱いお風呂に長時間入るのが好きだ
- 睡眠時間が短く、寝不足気味だ
- 慢性的な冷え性である
- 便秘の自覚がある
- ストレスを受けやすい、ストレスを感じている
※このサイトは元乾癬患者の実体験をもとに
皮膚科専門医の監修の下、記事をチェックしています。
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