乾癬と自律神経の関係

私達の身体が季節や天候の変化に適応できるのは、自律神経のおかげです。自律神経は自分の意思ではコントロールできない神経系で、体温や脈拍・血圧・発汗、瞳孔の調整、血管の収縮、胃酸・唾液の分泌、腸管運動の調整など体内のありとあらゆる活動を微調整し、夏は夏、冬は冬に適応できる身体を作ってくれるのです。そんな自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、これらのバランスを保つことで体内の各器官が正常に働きます。

 

このため、このバランスが乱れてしまうと自律神経に支障をきたし、私達の身体に様々な影響を及ぼしてしまうのです。さらに問題なのは、多くの現代人が自律神経のバランスを崩していることです。

 

自律神経とストレス

自律神経のバランスを崩す要因として最も多いのがストレスです。そもそもストレスにはいくつかの種類があり、騒音や公害による物理的ストレス、細菌や花粉による生物学的ストレス、疲労や睡眠不足による肉体的ストレスなどがあります。

 

そして、どのストレスに対してもあなたの意思に関わらず自律神経が反応し、ストレスから身を守ろうとするのです。この時、自律神経は交感神経を極端に優位にさせるため、それによってバランスが崩れます。こうして自律神経のバランスが崩れると、乾癬はますます悪化してしまうのです。

 

こうやって考えてみると、自律神経の乱れがいかに乾癬に悪影響を及ぼすかが分かります。それが分かっていながらも、多くの乾癬患者が実際に自律神経のバランスを崩しているのです。問題が分かっていつつも対処できない、その理由は３つあります。

 

一つ目は、そもそも現代社会においてストレスを溜めないなんてことは不可能だからです。二つ目は、目に見えない自律神経のバランスを保つことが単純に困難だからです。スタイルや体重の変化には敏感でも、自律神経のバランスの変化に敏感な人はまずいないのです。

 

そして最後の三つ目は乾癬の症状そのものが大きなストレスだからです。痒くて眠れない、ひどい見た目で人と会うのが怖い、一生治らないかもという不安、毎月の治療費で経済的に苦しいなど…あなたにも思い当たることがあるのではないでしょうか？

 

自律神経の乱れと免疫機能の悪化はセットでやってくる

自律神経のバランスの崩れが問題である最大の理由は、免疫と深く関わりがあることです。身体の中にあるいくつもの白血球は、本来悪い菌を撃退して私達を病気から守ってくれる存在です。しかし、自律神経のバランスが崩れることで、この働きが不充分になってしまいます。

 

と言うのも、こうした白血球を管理しているのが自律神経だからです。野球のチームに例えるなら、白血球は選手であり、自律神経は監督です。選手である白血球がいい仕事をできるのは、監督である自律神経が白血球をきちんと管理しているからです。

 

では、もし監督の指揮能力が衰えたらそのチームは一体どうなるでしょうか？当然戦力はダウンして、勝てる試合も勝てなくなってしまうでしょう。これと同じで、自律神経のバランスが崩れると、管理される白血球は本来の力を発揮できなくなるのです。

 

昔々、全身乾癬だらけの僕がやったこと

自律神経が正常なバランスを保てば、身体は本来の正しい免疫機能を取り戻すことができます。そのためには、交感神経よりも副交感神経が優位な状況を作らなければなりません。では、一体どうすればその理想のバランスを維持できるのでしょうか？

 

その答えはあなたの精神状態であり、リラックスや笑顔、ポジティブな考えを持つことが対処方法になります。また、リラックスという意味ではのんびりと音楽を聴いたり趣味を楽しむことが効果的です。でも、実際、全身が乾癬に覆われた状況になると心が重くて趣味を楽しむ余裕などない！というのが本音だと思います。僕もそうでしたので…

 

じゃ、どうするのか？

 

もう、乾癬の症状に一喜一憂しないことです。ウジウジしないことです。悲劇のヒロイン・ヒーロー気取りはやめることです。今から被害者意識は排除しましょう。早い話が開き直れ！ということです。長袖、長ズボンは今日で終わりにしましょう。お日様の下で裸になって汗をかいてみてください！めっちゃ気持ちいいんですヨ！僕は完全に開き直ってから良くなるきっかけをつかみました。全身乾癬だらけの体でしたが、家の中ではパンツ１枚で生活していました。夏はパンツすら履かないです。（掃除が大変でしたが…笑）天気が良い日はベランダで裸のまま日光浴！これがすごい快適なんですヨ～。

 

正直、あなたが気にするほど、他人はあなたのことなんて気にしていません！乾癬が悪化しすぎてどうしようもないなら、もう開き直るしかないです！開き直ることで暗闇に閉ざされた心が解き放たれるのです。

 

これらのことを意識することで、副交感神経が優位な状況を作ることができるのです。ただ、それができたからといって１００％免疫機能に問題がなくなるわけではありません。こうした免疫細胞の棲みかである腸の環境が悪ければ、それもまた免疫機能の悪化に繋がるのです。

 

いかがでしたか？副交感神経をうまく操ることができれば、それは自分自身の健康に繋がります。また、健康を意識するのであれば、自律神経だけでなく腸内環境も考えなければなりません。

 

このため、特に乾癬に悩んでいる人は二つのことに取り組んでみてください。一つはここで紹介したように、自律神経に気を配ってストレスへの対処方法を見つけてください。もう一つは、悪化した腸内環境を整えるため、腸内改善に取り組んでください。そうすれば、免疫機能を正常化できるのはもちろん、乾癬寛解も現実的なものになってきます。