乾癬と腸内環境の関係

乾癬に良いといわれる食品をいろいろ試しているけど少しも改善されない、という乾癬患者さんは多いようです。
この場合、その食品に効果がないと思われるかもしれませんがそうではありません。あなたの腸に栄養源の受け入れ体制が整っていないために効果が現れないのです。

 

私たちが食べた物を血液に変えていくのは、腸の役割です。
また腸には全身にキレイな血液を送ったり、全身からの排泄物を集めて排出する重要な役目も担っています。ですから乾癬を改善するうえで、腸を元気にすることは欠かせない条件と言えるわけです。

 

私たちの腸には100種類以上、約100兆個もの腸内細菌が棲みついており、乳酸菌やビフィズス菌などの「善玉菌」、大腸菌などの「悪玉菌」、中間的な「日和見菌」に分類できます。
善玉菌は、体に悪影響を与える悪玉菌の棲家を奪って増殖を抑え腸内環境を整える働きがあります。また近年の研究で、乳酸菌の菌体成分には、腸壁を刺激することで免疫細胞のバランスを整えたり活性化させる働きがあることもわかってきました。

 

善玉菌が優勢に保たれている状態が、健康な人の腸内です。近年、「プロバイオティクス」という 善玉菌の働きを活用して免疫バランスを最適化し、病気になりにくい体を作るという予防医学の考え方が広まっています。
その中心となるのが日本人の腸に合った胃腸に優しい正しい食事と乳酸菌の積極的な摂取です。

 

デトックスの必要性

最近、デトックスという言葉をよく見聞きするようになりました。
デトックスとは、毒素排出や解毒という意味で、体内毒素を体外に排出して健康になろうという考え方です。体に毒素が溜まっていると、どんなにいいものを食べてもサプリメントを飲んでも免疫バランスは改善しないため、溜まった毒素を排出する必要があるのです。

 

毒素は、私たちが日々の生活の中で体内に取り込んでいる物質の中に含まれています。それを解毒する機能が私たちの体には備わっていますが、この機能が弱まったり入ってくる毒素の量が多いと毒素が蓄積されていきます。
また毒素は外から取り込まれる以外にも、腸内の悪玉菌の増加により発生するアンモニアや活性酸素といった体内で発生する老廃物や毒素というのもあります。そして体内の毒素が許容量を超えると、便秘、肥満、アレルギー他さまざまな病気を誘発するとされています。

 

乾癬でステロイド軟膏を多用していると、あなたの体内には酸化コレステロールという物質が蓄積されていきます。
酸化コレステロールはステロイドの老廃物なのですが、これに皮膚の炎症を引き起こす作用があることがわかっています。つまり、炎症を消すために塗ったステロイド軟膏が原因で新たに炎症が引き起こされるという悪循環になっているのです。

 

人間にとってステロイドは薬ですが、酸化コレステロールは毒素です。もしあなたが長年ステロイドを使用しているのなら多くの毒素が体内に蓄積されているはずです。
最も有効なデトックスは排泄行為です。ただちに腸内環境を改善し、正しい排泄習慣を身につけるべきです。